ECサイトを立ち上げたものの、
- 「どうやって集客したら良いのだろう?」
- 「どんなマーケティング施策が効果的なのか分からない」
と感じていませんか?
オンラインショップは実店舗と違い、自然にお客さんが訪れてくれるわけではありません。適切な戦略で積極的に集客し、購入につなげる工夫が必要です。
本記事では、
- ショップ構築から
- SEO対策
- 広告運用
- SNS活用
- リピーター獲得
まで、ECサイト運営に欠かせないマーケティング戦略を網羅的に紹介します。実際の成功例・失敗例も交え、初心者の方でも分かりやすいよう専門用語も噛み砕いて解説します。
それでは、自社ECサイトの売上アップに役立つマーケティングの秘訣を学んでいきましょう。
1. ショップ構築(ECプラットフォームの選択と初期設定)
まずはECサイトを作る土台となるプラットフォーム選びと、開店時の初期設定についてです。
どのサービスを使ってショップを構築するかで、その後の運営コストや使い勝手が大きく変わります。
また、独自ドメインの取得や決済方法の設定など、開店準備として押さえておくべきポイントも確認しましょう。
主なECプラットフォームの比較
現在、人気のECサイト構築プラットフォームには
- Shopify(ショッピファイ)
- BASE(ベイス)
- WooCommerce(ウーコマース)
などがあります。
それぞれ特徴や費用が異なるため、違いを理解して自分に合ったものを選ぶことが重要です。
プラットフォーム | 初期費用・月額費用 | 主な手数料(販売手数料/決済手数料) | 特徴・メリット | デメリット |
---|---|---|---|---|
Shopify (海外製) | 初期費用無料、月額約$29(約3,000円) | 販売手数料0%、決済手数料約3.4% | 世界シェアNo.1のECプラットフォーム。豊富なデザインテーマとアプリで高機能に拡張可能。サーバー管理不要で安定稼働。 | 月額料金が必要。英語の情報も多く、初心者にはややハードルがある。 |
BASE (国内向け) | 初期費用無料、月額無料 | 販売手数料3%、決済手数料3.6%+40円 | 初期費用ゼロで始めやすい。デザインテンプレートも用意され手軽に開設可能。日本語サポートや国内向け機能が充実。 | 売上に対する手数料負担が大きく、取扱高が増えるとコスト割合も増加。カスタマイズ性は限定的。 |
WooCommerce (海外製) | 初期費用無料、月額無料(※要独自サーバー) | プラットフォーム利用料なし(決済は別途手数料あり) | WordPressサイトに組み込めるプラグイン型。自由度が高く拡張性に優れる。自前サーバーで運用すれば制約が少ない。 | サーバーやドメインを自分で用意・管理する必要がある。技術的知識が求められ、トラブル対応も自力。 |
※上記の決済手数料はクレジットカード決済の場合の一例です。実際の費用はプランや決済方法によって異なります。BASEはその他振込手数料なども発生します。
- 初心者には手軽に始められるBASEが魅力的ですが、売上規模が大きくなれば月額費用がかかってもShopifyの方が総コストを抑えられるケースもあります。
- 一方、既にWordPressサイトを運営している場合はWooCommerceを導入することでサイトの一部にショップ機能を追加できます。
自社の状況やスキルに合わせて選択しましょう。
ショップ開設時の初期設定ポイント
プラットフォームを選んだら、次はネットショップを開設するための初期設定です。
主に以下のポイントに気を付けましょう。
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独自ドメインの取得
- ショップのURLとなるドメイン(例:
yourshop.com
)を取得し、ブランドの信頼感を高めます。 - ShopifyやBASEでも独自ドメインが利用可能。できるだけ短く覚えやすいものを選びましょう。
- ショップのURLとなるドメイン(例:
-
決済方法の設定
- クレジットカード決済、コンビニ払い、キャリア決済など、ユーザーのニーズに合わせた支払い方法を用意します。
- Shopifyでは「Shopifyペイメント」、BASEなら「かんたん決済」など、プラットフォーム独自の包括的な決済手段を活用できます。
- 初めに設定を済ませ、テスト購入で正常に決済できるか確認しておきましょう。
-
サイトデザインのカスタマイズ
- 用意されたテーマ(テンプレート)をベースに、ブランドイメージに合うデザインを整えます。
- ロゴ、キーカラー、トップページのレイアウト編集、商品のカテゴリー分けを行い、モバイル対応も必ずチェックしましょう。
- シンプルで見やすいUIを意識することがポイントです。
これらの初期設定を丁寧に行うことで、スタートダッシュを切る準備が整います。
特に決済や配送設定の不備は後々トラブルにつながりやすいので、事前に入念なチェックを。
また、送料設定や試験的に自分で注文してみるなど、開店前のテスト運用も重要です。
2. 商品登録と魅力的な商品ページの作成
次に、ネットショップの肝である商品ページの作り方です。
ユーザーが実際に商品を購入するかどうかは、商品ページの出来に大きく左右されます。
- 魅力的な商品説明文
- 写真・動画
- 価格設定
これらでユーザーの購買意欲を引き出しましょう。
購買意欲を高める商品説明の書き方
ただ製品の仕様を列挙するだけでは不十分です。ユーザーが「買いたい!」と思うようなコピーライティングが求められます。主なポイントは以下の通り。
-
特徴ではなくベネフィットを訴求する
- 商品の機能やスペック(特徴)だけでなく、それによってユーザーが得られるメリット(ベネフィット)を伝えます。
- 例:「この傘は特殊な素材でできています(特徴)」→「大雨でも漏らさず、強風でも壊れにくいので安心です(ベネフィット)」
-
具体的な表現や数字を使う
- 抽象的な表現よりも、数値や事例を示した方が信頼性が増します。
- 例:「高速充電可能」→「30分で50%充電可能」
-
商品のストーリーを語る
- 開発背景やこだわり、利用シーンなどのストーリーを入れると、ユーザーの共感を得やすくなります。
-
読みやすいレイアウト
- 長い文章は適度に改行や箇条書きを入れて、要点をすぐ掴めるようにしましょう。
-
信頼感の醸成
- エビデンスやレビュー、実績(「○○認定」「累計販売数〇〇個」など)を示す。
- デメリットや注意点も隠さず記載し、誠実さを伝えることが購入意欲にも繋がります。
商品説明文は500文字前後を目安に、必要な情報を過不足なく伝えると良いと言われています。
ユーザーが知りたい情報をしっかり盛り込みつつ、読みやすさにも配慮しましょう。
商品画像・動画の効果的な活用
ネット通販では実物を手に取れない分、商品画像が非常に重要です。
以下の点を意識して、クオリティの高い画像・動画を用意します。
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高画質で明るい写真
- ピンぼけや暗い写真は避け、背景を白や単色にして商品を引き立てます。
-
様々な角度・シーン
- 前後左右や拡大など複数の角度から撮影し、詳細を伝えます。
- サイズ感や使用イメージが伝わるよう、人が持っている/部屋に置いてある写真なども用意。
-
動画で使用感を伝える
- 洋服ならモデルの着用動画、ガジェットなら操作動画など、動きがあると理解が深まりやすい。
-
ファイルサイズに注意
- 画像枚数や動画が多いとページ表示が遅くなるため、圧縮や軽量化も重要。特にモバイルユーザーを意識します。
-
適切なaltテキスト
- 視覚障害者への配慮や、SEO対策の一環として、画像には代替テキストを入れましょう。
価格設定の戦略
価格は利益を出す上でも、売れ行きを左右するマーケティング要素としても重要です。
初心者の方はどう決めていいか悩みがちですが、以下の観点で考えてみましょう。
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原価と利益率の把握
- 商品の仕入れ値や製造コスト、送料や手数料など諸経費も含めて計算します。赤字にならないラインをまず把握することが大切。
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市場価格のリサーチ
- 競合商品はどれくらいの価格で売られているか? 高すぎると売れず、安すぎると品質に不安を持たれる場合もあります。
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心理的価格設定
- 例:1,000円より「998円」とすることでお得感を演出。
- まとめ買い割引や送料無料ラインを設けて、客単価アップと購入ハードルの低減を図る方法も有効。
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セール・クーポン戦略
- 定期的なセールや初回購入クーポンは効果的。ただし乱発は避け、特別感を維持しましょう。
-
テストとデータ分析
- 価格を固定せず、状況に応じて見直す柔軟さも必要。アクセスは多いのに売れない場合は価格が高すぎる可能性があるなど、販売データをもとに最適化します。
価格設定には正解がありませんが、顧客にとって魅力的でありながら自社の利益も確保できるバランスを見極めることが大切です。
送料無料を打ち出す場合、商品価格への上乗せや利益圧迫のリスクを考慮して検討しましょう。
3. SEO対策
魅力的な商品ページを作っても、ユーザーに見つけてもらえなければ売上には繋がりません。
そこで重要なのがSEO(Search Engine Optimization、検索エンジン最適化)対策です。
Googleなど検索エンジンで自社のECサイトや商品ページを上位に表示させることで、広告費をかけずに継続的な集客が期待できます。
キーワードリサーチの方法と実践
SEOの出発点は、ユーザーが検索しそうな語句を洗い出すキーワードリサーチです。
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ユーザー目線で考える
- 商品名だけでなく、悩みや用途、ターゲット層を想像し、複合キーワードを検討します。
- 例:「スキンケア 敏感肌 おすすめ」「ニキビ クリーム 効果」
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キーワード候補の拡大
- 実際に検索してサジェストや関連キーワードをチェック。
- キーワードプランナーなどツールで検索ボリュームも把握できます。
-
競合チェック
- そのキーワードで上位表示されているサイトが強力かどうかを確認。
- 大手ばかりの場合はニッチなキーワードを狙うなど戦略を練りましょう。
-
ロングテールキーワードを狙う
- 3語以上の具体的なキーワードは検索ボリュームが少なくても購入意欲が高い傾向があり、コンバージョン率が高まりやすいです。
内部SEOの基本(タイトルタグ、メタディスクリプション、URL構造など)
内部SEOとは、自社サイト内で完結するSEO対策を指します。ECサイトでは以下のポイントが重要です。
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タイトルタグの最適化
- 商品ページや各ページの
<title>
に、狙ったキーワードを含めつつ、魅力的なタイトルを付ける。 - 例:「送料無料」「公式通販サイト」など付加情報を入れるとクリック率UP。
- 商品ページや各ページの
-
メタディスクリプションの設定
- 検索結果のタイトル下に表示される説明文で、狙いのキーワードを入れつつ商品やページの魅力を端的に表現。
- 全角120字程度を目安に。
-
URL構造の最適化
yourshop.com/product/商品名
のように、内容を反映したURLに。- URL変更はリダイレクトなど手間がかかるので、最初に整備しておくと良い。
-
見出しタグ(H1,H2...)の適切な使用
- 各ページに一つのH1タグを設定し、主キーワードを入れる。
- H2やH3を使い、内容を階層化して検索エンジンにも分かりやすい構造に。
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内部リンクの充実
- 商品ページから関連商品の紹介、ブログ記事などへリンクする。
- サイト内回遊を促し、検索エンジンにもページ同士の関連性をアピール。
-
画像の最適化
- altテキストの設定や、画像ファイル名を分かりやすいものにする。
- ページ表示速度向上のため、画像圧縮や不要スクリプト削減にも取り組みましょう。
外部SEO(被リンク戦略、コンテンツマーケティング)
外部SEOは、他サイトからのリンク(被リンク)を獲得して検索エンジンからの評価を高める施策です。
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被リンク獲得の工夫
- 商品やコンテンツが他サイトで紹介・リンクされるよう、インフルエンサーやブロガーへのアプローチ、プレスリリース配信など。
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コンテンツマーケティング
- ECサイト内にブログやコラムを設置し、有益な情報発信を続ける。
- 良質なコンテンツはSNSでシェアされ、他サイトからリンクされる可能性が高まり、商品ページへの流入増にも繋がる。
-
SNS拡散とブランディング
- TwitterやInstagramで話題になると多くの人が訪れ、そこからリンクしてくれる人が現れるケースも。
- ブランド知名度向上にも有効。
外部SEOは自分でコントロールしにくい面がありますが、リンクしたくなるコンテンツや商品を作るのが王道です。
地道な情報発信と良好な対外関係構築を続ければ、検索流入は右肩上がりに増えていくでしょう。
4. 広告運用
SEOやSNSでのオーガニック集客だけでなく、即効性のある集客手段としてWeb広告も重要です。
有料ですが、適切に運用すれば投下コスト以上の売上効果が期待できます。
Google広告(検索広告・ディスプレイ広告)
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検索広告(リスティング広告)
- ユーザーが検索エンジンで入力したキーワードに連動して、検索結果の上部や下部にテキスト広告を表示。
- 「ランニングシューズ 通販」で検索した人に「ランニングシューズ専門店」の広告を出すなど、購入意図の強いユーザーを狙いやすい。
- クリック課金型なので、無駄打ちが少ない。
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ディスプレイ広告
- Google提携サイトやアプリ上に画像やバナー広告を配信。
- 潜在顧客への認知拡大に有効で、ファッション系ブログを読む人にファッションECの広告を出すなど可能。
- リターゲティングにも活用される。
効果的な運用のポイント
- 検索広告ならキーワード選定が肝。成果の良いキーワードに予算を集中し、不要キーワードを除外するなど最適化。
- ディスプレイ広告は、興味関心や年齢・地域などで絞り込むと効率UP。
- 画像クリエイティブを複数用意して、クリック率やコンバージョン率を比較テストする。
- Googleショッピング広告(商品リスト広告)で、商品写真と価格を検索結果に直接表示させるのもECサイト向けに有効。
Facebook広告・Instagram広告の活用
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Facebook広告
- Facebook上のフィードやストーリーズ、Messengerなどに広告を表示。
- 実名登録をベースにした興味関心データが豊富なので、ターゲットを詳細に絞りやすい。
- 例:子供服ECなら「20~40代で子供あり」のユーザーだけに広告を配信することも可能。
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Instagram広告
- Instagramのフィード投稿やストーリーズ、リールなどに広告を出せる。
- ファッション・美容・食品などビジュアル重視の商品と相性が良い。
- おしゃれな写真や動画でブランドの世界観を伝えつつ、ショッピング機能で直接購入へつなげられる。
効果的な運用のポイント
- クリエイティブの質とターゲティング設定が成功の鍵。
- 目的(認知拡大・サイト誘導・購入)を明確に設定し、それに応じた最適化を行う。
- 広告計測タグ(Facebookピクセルなど)をサイトに埋め込んで、コンバージョンデータを正確に把握する。
- 購入者と似た属性の人を探す類似オーディエンス機能も活用すれば、効率的に新規顧客を獲得できます。
リターゲティング広告の仕組みと効果的な運用方法
リターゲティング広告(リマーケティング広告とも)は、一度サイトを訪問したが購入に至らなかったユーザーに後日広告を表示し、呼び戻す手法です。
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仕組み
- 広告プラットフォーム(Google広告やFacebook広告)のトラッキングタグをサイトに埋め込み、訪問者の行動データを収集。
- 「サイト訪問者全員」「特定の商品を見た人」「カート放棄した人」など細かく対象を指定。
- 動的に、その人が見た商品画像を再表示することも可能。
-
効果的な運用ポイント
- 費用対効果が高い:既に関心を示したユーザーなので購入率が上がりやすい。
- 頻度と期間の設定:しつこく表示しすぎると逆効果なので、1日数回や30日以内など期間を区切る。
- クリエイティブの工夫:カート放棄者には「カートに商品が残っています」「今なら10%オフ」など、再訪を促すメッセージが効果的。
- 除外設定:購入者には表示しないようにする、別の商品案内に切り替えるなど適切な管理が必要。
リターゲティング広告は最初に取り組むべき広告と称されるほど有力な施策です。
低予算から始めても成果が見込みやすいので、未導入であればぜひ検討してみましょう。
5. SNS連携による集客
現代のEC運営で、SNSの活用は不可欠です。
Instagram、Twitter(現X)、Facebookなどは、ユーザーとのコミュニケーションや商品の露出を大きく後押ししてくれます。
Instagram・Twitter・Facebookの効果的な活用法
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Instagram(インスタグラム)
- 写真・動画メインのSNS。ファッション、コスメ、食品など“見た目が大事”な商材と相性良し。
- 商品画像だけでなく、ライフスタイル提案やハウツー動画を投稿するなど、ユーザーに有益なコンテンツを提供。
- レシピ動画などでファン化に成功しているショップ事例も。
- 投稿に商品タグを付けて直接商品ページへ飛べる「Instagramショッピング機能」も活用。
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Twitter(X、旧Twitter)
- 拡散力が高く、リアルタイム情報の共有に優れたSNS。
- 新商品のリリースやキャンペーン告知、フォロワーとの交流に向いている。
- 140字の短い文章でキャッチーに伝えるのがポイント。
- リプライには丁寧に対応して顧客との距離を近づけましょう。
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Facebook
- ユーザー層がやや高めで、比較的落ち着いたコミュニケーションが可能。
- 公式Facebookページを作り、商品紹介やブログ更新情報、レビューなどを発信。
- 長文投稿も読まれやすく、ブランドの背景やストーリーを丁寧に伝えるには向いている。
SNS運用全般のコツ
- 継続的に発信することで徐々にファンが増えていく。
- 各SNSのユーザー層や文化に合わせて投稿内容を工夫。
- Instagramならハッシュタグで幅広いユーザーにリーチしたり、Twitterならトレンドを絡めたり…
- 写真・動画のクオリティを意識し、「映える」「共感できる」コンテンツを目指す。
SNS広告の活用
SNSでのオーガニック投稿に加え、広告配信機能も活用しましょう。
- InstagramやTwitterではフォロワーでなくても興味関心のあるユーザーへ投稿を届けるプロモーション投稿が可能。
- 広告マネージャーを使って細かくターゲティングする方法と、投稿から直接ブーストする方法があります。
- まずは人気投稿を少額予算で広告配信してみるなど、小さく始めてデータを取るのもおすすめ。
- SNS広告により一時的にフォロワーやサイト訪問者を増やし、その後の地道な運用で定着させていく流れを作ると良いでしょう。
インフルエンサーマーケティングの基本と成功事例
SNS運用の発展形として、インフルエンサーマーケティングがあります。
フォロワー数が多いInstagramユーザーやYouTuber、ブロガーなどに商品を紹介・推薦してもらう手法です。
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基本的な流れ
- 自社の商品やブランドイメージに合うインフルエンサーを選ぶ。
- アプローチして、タイアップ投稿やレビューを依頼。
- 金銭報酬の場合もあれば、商品提供のみで取り上げてもらえる場合も。
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メリット
- インフルエンサーの発信力で一気に認知度を高められる。
- 信頼している人の推薦が、広告以上に購買意欲を刺激するケースもある。
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留意点
- ステマ(ステルスマーケティング)にならないよう、PRであることを明確にする。
- 人気インフルエンサーは費用が高額になる場合もあるため、マイクロインフルエンサーの起用も検討。
- 単にフォロワー数だけではなく、フォロワーの属性が自社ターゲットと合うかが肝。
成功事例・失敗事例に学ぶECマーケティングのポイント
成功事例
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SNS発信でファン獲得
- 健康食品ショップがレシピ動画などSNSコンテンツで共感を呼び、商品への興味を高めることに成功。
- 単なる“売り込み”ではなく、有益な情報提供を軸にファン化し、最終的に売上増に繋げた。
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インフルエンサー活用で爆発的拡散
- 靴の通販サイトが有名YouTuberとのコラボで話題を集め、コラボ商品が即完売。
- 早期から動画マーケティングを活用した先進性と、インフルエンサーの強い影響力がマッチした好例。
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地道なSEOとコンテンツ蓄積
- 雑貨ECサイトがブログをコツコツ更新し、3年ほどで月間数十万PVを獲得。
- 広告に頼らなくても安定した自然流入が得られ、売上が底上げされた。
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徹底した顧客対応でリピーター増加
- 食品ECで手書きサンクスカードを同封、問い合わせも迅速丁寧に対応。
- 「対応が素晴らしい」と口コミで評判が広まり、顧客ロイヤリティを高めることに成功。
失敗事例に学ぶ(よくある間違いと回避策)
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集客対策不足で「開店休業」
- ECサイトを作ったものの、SEOや広告を何もしないで全くアクセスが来ない。
- 「良いものを作れば売れる」は通用せず、積極的なPRが欠かせない。
- 開店直後こそPRに力を入れ、まず認知を広げることが重要。
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UI/UXの不備で機会損失
- サイトが重い、スマホで見づらい、決済画面が煩雑など、ユーザー体験が悪く売上を逃す。
- 自分で試しに買ってみるなど操作テストを徹底し、カート落ちが起きにくい設計にする。
- UI/UXの改善は直接売上アップに繋がる重要ポイント。
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運営体制の不備(在庫切れ・配送遅延)
- 受注後のフォローが甘く、在庫管理や発送がスムーズに行えず信用を落とす。
- 人気商品が在庫切れ続出、メール返信が遅いなど、顧客満足を損なう要因に。
- スタッフやシステム、発送代行の活用など、基盤整備をしてから集客を増やす。
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データ無視の勘に頼った運営
- 広告の費用対効果を測定しない、アクセス解析を見ないなど、PDCAを回せない。
- 効果的な施策が分からず、予算を無駄にする。
- Googleアナリティクスなどを使って数字を把握し、強化ポイントと改善点を明確化することが必須。
まとめ
長文となりましたが、初心者~中級者向けにECサイトのマーケティング戦略を網羅的に解説しました。
- プラットフォーム選び
- 商品ページの充実
- SEO対策
- 広告運用
- SNS活用
- リピーター施策
一気にすべてを完璧に行うのは難しいかもしれません。
まずはできそうなところから一つずつ着手しましょう。
例えば、
- 「商品説明をもっと充実させてみる」
- 「今日からTwitterを毎日発信してみる」
- 「今月は試しに広告を少し出稿してみる」
など、小さな一歩でも行動を起こすことで結果がデータとして見えてきます。
そのデータを活かして次の施策へ反映し、EC運営の成長サイクルを回していきましょう。
常に大切なのはお客様視点です。
ユーザーが何を求め、どんな不便を感じるかを考え、それを解決するマーケティングが最も効果的。
マーケティングとは決して小手先のテクニックではなく、「お客様に自社の商品・サービスを届けるための総合的な活動」です。
本記事の内容をヒントに、ぜひあなたのショップに合った戦略を組み立て、実践してみてください。
継続的な努力の先に、売上アップと事業成長という嬉しい成果がきっと待っています。