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マーケターとは?その役割と魅力
近年CMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)といった役職も設けられ注目のマーケターとは一体どんな職業なのでしょうか。
一般的にマーケティング部門というのは少数精鋭とされています。
今回はそんなマーケターになるための方法、年収、将来性などについて解説します。
マーケティング職の仕事内容
マーケターとは、企業のプロダクト(商品・サービス)をどのように世の中に広めるかを考える職種です。
具体的には、消費者が商品を購入したり、サービスを利用したりするまでの過程(カスタマージャーニー)を分析し、その過程における顧客体験を向上させるための施策を立案・実行します。
たとえば新商品を開発したとしても、それをどのように認知拡大につなげるか、どんな広告クリエイティブを用いるか、どの販路を使うか、どの価格帯で勝負するかなど、「売る仕組み」を設計することがマーケターの仕事の中心です。
近年はデータ分析ツールが高度化し、ユーザーの閲覧履歴・購買履歴・属性情報などを活用して、よりパーソナライズされたコミュニケーションを行えるようになりました。
そのため、AIを用いた推定や機械学習、MA(マーケティングオートメーション)を活用するケースも増えています。
マーケターの主な業務内容
マーケターの業務は企業によって多岐にわたります。ここでは代表的な業務を、もともとの内容を踏まえてさらに深掘りして解説します。
市場調査・分析
自社の商品やサービスが顧客にどのように受け入れられるのかを考えるうえで、市場のトレンドや競合状況を正確に把握することが欠かせません。
- 定量調査: アンケートや売上データなどの数値情報を分析し、市場規模やターゲット層のニーズを把握
- 定性調査: インタビューやグループインタビューなどを通じ、顧客の心理的な課題や潜在的ニーズを探る
マーケティング戦略の立案
集めたデータをもとに、ターゲットとなるユーザー層やメッセージの方向性を明確にし、広告予算の配分やチャネル選定を行います。
- SNS広告、検索広告、動画広告など多種多様なチャネルがあるため、予算と目標を照らし合わせながら最適な組み合わせを考える
- 新規顧客獲得だけでなく、既存顧客の継続利用(リテンション施策)やアップセルの可能性も踏まえたプランニングが重要
施策の実行
実際に広告を出稿したり、SNSやブログなどのコンテンツを更新したりして、設定した戦略を形にしていきます。
- クリエイティブ制作: バナー広告やLP(ランディングページ)のデザイン・コピーライティング
- SNS運用: Twitter、Instagram、TikTok、YouTubeなどを使った継続的な情報発信やキャンペーン企画
- オフライン施策: イベントやセミナーの開催、チラシや雑誌広告を活用したプロモーション
効果測定・改善
施策を実行した後、その効果を数値で捉え、どこを改善すべきかを検証します。
- KGI(最終目標)とKPI(重要指標)を設定し、成果を検証
- Googleアナリティクスや広告運用プラットフォームのレポートを活用し、クリック率・コンバージョン率・顧客単価などを細かく分析
- 仮説と結果の差分を分析し、次の施策に活かすPDCAを回す
マーケターに求められるスキル
マーケティング知識
マーケティングの基本的なフレームワーク(3C、4P、SWOT分析など)はもちろん、デジタルが主流になるなかでSNS運用、SEO対策、広告運用などの知識も重要です。
また、AIを活用したデータ解析やリコメンドエンジンなど、テクノロジーに関するリテラシーも求められるようになっています。
データ分析・ロジカルシンキング
顧客データや売上データを分析して仮説を立て、結果を検証するための論理的思考力がマーケターには欠かせません。
特にデジタルマーケティングでは、アクセス解析ツールの活用や広告運用レポートの分析など、数値を軸にした検証サイクルが大切です。
コミュニケーションスキル
マーケターは社内のエンジニア・デザイナー・営業など複数の部署との連携、さらに社外の広告代理店や制作会社とのやりとりも発生します。
自分のアイデアをわかりやすく説明し、目標に向けて人を動かす力が必要です。
マーケターのやりがいと大変なところ
やりがい
自分が考えた施策が数値となって表れ、それが会社の売上増やブランドイメージ向上に貢献することに喜びを感じる人が多いです。
SNSや動画プラットフォームなどを駆使して企画を立ち上げ、それがバズを生み出したり顧客の反応をダイレクトに受け取れたりする点は、この仕事ならではの魅力といえます。
また、マーケティングの成功によって商品がヒットし、多くの人に使われる姿を目にできるのは大きな達成感につながるでしょう。
企業によっては、新サービスの立ち上げや大規模キャンペーンの企画など、ダイナミックな仕事に関わるチャンスもあります。
大変なところ
一方で、競合企業も同様の施策を検討していることが多く、顧客の注目を集めるのは容易ではありません。
市場環境や消費者の興味関心は常に移り変わるため、最新のトレンドを追い続けるインプットの労力が求められます。
また、施策に対する期待値が高いぶん、思うような成果が出ない場合には調整や改善策の検討を急がねばならず、プレッシャーも大きい職種です。
デジタル領域の変化(SNSのアルゴリズム変更や新規プラットフォームの台頭など)にも常に対応し続けなければなりません。
マーケターを目指すためのポイント
未経験からマーケターを目指す場合や、キャリアチェンジを考えている人は、以下の点を意識するとスムーズにステップアップしやすくなります。
基礎知識を徹底的に学ぶ
まずは書籍やWebメディア、オンライン講座などで、マーケティングの基本概念やデジタルマーケティングの仕組みを学びましょう。
3C分析、4P、SWOT分析といった基本のフレームワークを習得することはもちろん、データを使ったアプローチや各種広告プラットフォームの特性を理解しておくことが大事です。
実践経験を積む
インターンやアルバイト、転職などで実際の業務に触れることで、知識だけでは得られないリアルなマーケティング体験が得られます。
- SNS運用を任される
- 小規模ながら広告予算を運用させてもらう
- ランディングページ(LP)の改善を手伝う
など、小さな業務でも成果を出し、実績をポートフォリオとして残すと大きなアピール材料になります。
ネットワークを作る
マーケター同士の情報交換はとても有益です。
セミナーや勉強会、Webマーケティング関連のコミュニティに参加し、同じ志をもつ仲間と交流すると、トレンド情報や実践的なノウハウを得やすくなります。
SNSでも積極的に発信しながらフォロワーを増やすと、チャンスが広がるでしょう。
マーケターになるための主なルート
セールス職として入社し、現場での経験を積む
マーケティングとセールスは切っても切れない関係にあり、最終目標はいずれも「売上や受注(コンバージョン)」を獲得することです。
セールス経験があると、「顧客がどんなステータスなら受注につながるか」「最後の購買決定を妨げる要因は何か」などを肌感覚で学べます。
これをマーケティング戦略に活かすことで、より効果的な施策立案が可能になります。
逆に言うと、どれだけ広告のインプレッションを増やしても、最終的にセールスチームが受注できなければ意味がありません。
メリット
- 顧客心理を体感できる
セールスとして“購入・契約のハードル”を日々感じることで、どのようなマーケティング施策が有効か実感しやすいです。 - マーケ・セールス連携を設計しやすい
リード獲得から受注まで、顧客をどのステータスで渡せばセールスが動きやすいかを理解できるため、顧客育成のプロセス(リードナーチャリング)をより的確に設計できます。 - 実績を可視化しやすい
セールス職で得た目標達成率や受注件数などの実績は、転職や異動時のアピール材料にもなります。
企業のマーケティング部門の配属を狙う
企業のマーケティング部門に直接配属されるルートは、スキルを積むうえで理想的ですが狭き門であることも少なくありません。
異動希望を出し続けても、タイミングや社内事情に左右される可能性があります。
しかし、配属が叶った場合は商品企画やブランド戦略など、重要度の高いプロジェクトに関わるチャンスも大いにあります。
デメリット
- 希望の部署にすぐ配属されるとは限らない
- 配属先を自分でコントロールしにくい
広告代理店やコンサルティングファームに入社
広告代理店やコンサルティングファームでは、クライアントワークを通じてさまざまな企業のマーケティング支援を行います。
多種多様な業界に触れられるため、短期間で幅広いノウハウを吸収できるのが魅力です。
メリット
- 幅広い業界に触れられる
消費財からIT、BtoBなど、さまざまなクライアントを担当することでマーケティングの引き出しが増えます。 - 優秀な同僚や豊富なリソース
トップティアの企業やプロフェッショナルと協業する機会が多く、刺激的な環境で成長できます。 - 最新トレンドへのアクセス
クライアントワークを通じて、最先端の市場動向やテクノロジーが入ってきやすいのも魅力です。
デメリット
- 入社難易度が高い
- プロジェクトの忙しさに応じてハードワークになるケースも多い
独学・フリーランスでの挑戦
ある程度の実績やネットワークが蓄積されれば、独立してフリーランスや個人コンサルタントとして活動する道もあります。
近年は、学歴や企業でのキャリアを積まなくても、独学や副業から実践的なスキルを磨き、フリーランスとして活躍する事例が増えています。
自由度の高さや収入アップを目指せる一方で、案件の獲得やスケジュール管理、事務作業など自己管理が必須となります。
自分の専門領域を明確に打ち出し、ブランディングを強化することが成功のカギです。SNS運用代行やSEOコンサル、広告運用を請け負うなど、デジタルツールを使って実績を積み上げることが可能です。
独学でのステップ
- オンライン講座:UdemyやSkillshare、YouTubeで基礎知識を習得
- 実践運用:自分のブログやSNSを運用し、フォロワー数やPVなどをデータ化
- ポートフォリオ作成:運用実績や改善データをまとめ、企業やクライアントへ提案
マーケティングスクールを活用するという選択肢
近年、未経験からマーケターを目指す方やキャリアアップしたい方をサポートするマーケティングスクールが増えています。
独学と異なり、実務で必要とされる知識やノウハウを体系的かつ短期間で習得できるのが最大のメリットです。
スクールに通うメリット
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講師やメンターによる直接指導
現役のマーケターが指導する場合が多く、リアルな失敗談や成功事例を知ることができます。
課題に対してフィードバックをもらえるため、実践で使えるスキルが身につきやすいです。 -
最新ツールの使い方を学べる
広告運用プラットフォーム(Google Ads、Facebook Ads など)やアクセス解析ツール(Googleアナリティクス、Adobe Analytics など)を実際に操作しながら学べるカリキュラムが用意されていることも少なくありません。
AIやMA(マーケティングオートメーション)の導入事例を学べるスクールもあります。 -
転職・キャリアサポート
多くのスクールで転職支援やキャリア面談が用意されています。
履歴書やポートフォリオの添削、面接対策など、就職活動を有利に進めるサポートが受けられます。中には転職保証を打ち出しているスクールもあります。
こちらでWEBマーケティングスクールのWANNABE ACADEMYに関する記事を掲載しています。
学位や資格は必要か?
マーケティングやビジネス、経営学などの学士号は、理論的な基礎をしっかりと身につけられるため有利になる場合があります。
しかし、学位が絶対条件というわけではありません。
IT企業やスタートアップなどでは実務経験や成果ベースの採用が進んでおり、成果をまとめたポートフォリオやセールス数値などで十分勝負できます。
マーケターに欠かせないポートフォリオ
ポートフォリオは学歴以上に注目されるケースが増えています。以下のような具体的な成果を整理しておきましょう。
- SNS運用事例:フォロワー増加率、エンゲージメント率の推移
- 広告運用実績:CPA(Cost Per Acquisition)やCVR(Conversion Rate)の改善事例
- セールス実績:営業職時代の受注数や成約率など
- 企画書・提案書:どんな課題をどのように解決したか
広告費から見るマーケターの将来性
電通「2022年 日本の広告費」
- 総広告費:6兆7,997億円(前年比 104.4%)
- インターネット広告費:3兆928億円(前年比 114.3%)
- ※ 初めて3兆円を突破し、マスコミ4媒体(2兆4,140億円)を大きく上回る
インターネット広告費はマスコミ4媒体(テレビ・新聞・ラジオ・雑誌)を超える規模にまで成長を続けています。
今後も多くの企業がデジタルマーケティングに投資する見通しであり、マーケターの活躍の場は一段と拡大すると期待されます。
マーケターの最新年収事情
国税庁「令和4年分民間給与実態統計調査」
- 全体平均年収:約460万円
(令和3年分では443万円から増加) - マーケティング関連職:平均で550~650万円ほどが目安
企業規模や業界、役職によって大きく異なりますが、依然としてマーケティング職は全体平均よりも高めの水準に位置することが多いです。
CMO(Chief Marketing Officer)クラスともなれば1,000万円を超える報酬も珍しくありません。
まとめ
マーケターは市場調査・戦略立案から施策実行・効果検証までを通じて、企業の売上拡大やブランドの成長に大きく寄与する役割を担う重要な仕事です。
特にデジタル領域が主戦場となっている今、SNS運用やデータ分析など最新のスキルを身につければ、多くの企業から必要とされる人材になれる可能性があります。
未経験からマーケターを目指す場合は、まずはマーケティングの基礎を学ぶこと、そして少しでも実践経験を積むことが大切です。
インターンやアルバイト、自己学習を通じて成果を可視化できるようにし、ポートフォリオとしてまとめておくと転職活動がスムーズになります。
また、独学に限界を感じる方や効率的にスキルを習得したい方は、マーケティングスクールを活用するのも一つの方法です。
短期間で体系的に学べるだけでなく、転職支援が充実している場合が多いので、キャリアチェンジの強い味方になるでしょう。
いずれにしてもマーケターとして活躍するためには、常に市場の変化とテクノロジーの進化にアンテナを張り続ける姿勢が不可欠です。
学びを止めず、さまざまなチャレンジを積み重ねていけば、やがてマーケティングの世界で大きく飛躍できるはずです。
メモ
学習途中や転職活動中の情報発信として、Twitter・LinkedIn・ブログなどを活用し、業界の人脈を作っておくと就職・転職の際に大いに役立ちます。